カテゴリ:オランダ映画( 3 )

武器人間 (2013年) ナチス最終兵器、出撃! 

d0235336_17442859.jpg

 影のダーク映画大国、オランダが生んだ珠玉のホラー、と私的にはいいたい。
第二次世界大戦末期のドイツに踏み込んだソ連の偵察部隊は、繋がらなくなっていた無線に、仲間からの援護を求める無線を受け取る。駆けつけた古い教会には、何者かによって大量虐殺が行われた痕跡があり、内部へ降りていく彼らを襲うのは、さらなる驚愕の事態だった...!

一部始終を映し出すのは、従軍した記録カメラの映像であるという、心憎い演出。手振れの臨場感に否応なくドキドキする。追い詰められたドイツの最終兵器は、狂気の博士が造り出す”武器人間”だった・・・
敬愛する『鉄男』へのオマージュなのか、特殊メイクで造られた、手作り感漂う武器人間の、種類豊富な愛すべきフォルムたち。わりとスローな武器人間は、速さ的には逃げられる。無敵とはいえ、手榴弾ならやつけられる、設定が最高。
ハーケンクロイツが乱舞するところも、わくわくせずにはいれない。
d0235336_17404655.jpg
d0235336_17443692.jpg

鎖に繋がれた奇妙な生き物が、突如、襲いかかって隊長を殺す。あれよという間に突き落とされる、出口のない恐怖。肉片の海で、無敵の最終兵器と死闘を繰り広げる彼らは、隊長を失ってから統制を失い、バラバラ寸前の状況。
訳ありカメラマンのポーランド人セルゲイ、その若き助手サシャ、横暴な俺様隊員、マッドサイエンティストなど個々のキャラクターが秀逸。
しかも、冒頭からは察することのできない展開が待ちうける脚本はかなりおもしろい。ソ連部隊に、なぜ、ポーランド人がいたのか。無線が通じなかった謎も合わせて、中盤からの展開には更なる魅力があった。
協力し合えない面々がたどり着く当然の報いと、好人物だから生き残る、定石かつシュールなオチがとてもすき。

監督・脚本はリチャード・ラーフォースト氏。本業は売れっ子CMディレクターだという本編は、とうていデビュー作とは思えないほどおもしろかった。

 (84min/オランダ=アメリカ合作)
[PR]
by haru733 | 2014-10-20 09:59 | オランダ映画 | Comments(0)

ムカデ人間2 (2011年)

d0235336_22465126.jpg
 なんたること、前作は、単なる序章に過ぎなかったのらしい。

もっと、たくさん、
つ・な・げ・て・み・た・い。


こんなかわいらしいコピーからは想像もつかない、これまで観たどんなホラーよりも嫌悪感マックスのすごい続編となっていた。間違いなく映画史に残っていくでしょう。


(あらすじ)
ロンドンの地下駐車場で警備員として働くマーティンは映画「ムカデ人間」をこよなく愛していた。勤務中にDVDを繰り返し見るだけでは飽きたらず、「ムカデ人間」に関するスクラップブックを作り、暇さえあれば眺めている。
やがて欲望は膨れあがり、ついには自分も実際にムカデ人間を作りたいという衝動に駆られるようになっていく。古い貸倉庫を手に入れ、十二人もの人間を拉致したマーティンは、そして…。


モノクロになったことで陰惨さは増し、執拗に雨が降りつづき、倉庫はジメッとした不快な湿度に満ちている。
全編総出で、見る者を嫌悪の底に叩き込み、わずかな鎮静の兆しさえことごとく挫かれてしまう。
ホラーにありがちなエロスに逃げることもなく、変態ゲテモノ映画の金字塔を、わずか2作で打ち立ててしまった、トム・シックス監督、おそるべし。
d0235336_22464225.jpg

チビでギョロ目で気味の悪いマーティンは、猟奇殺人犯でも愉快犯でもない。ただ純粋に『ムカデ人間』が好きで、自作してみたいだけ。一作目が意外と硬派な一面を持っていたのは、この2作目のための序章であり小道具として必要だったからかと思うと、その周到さに唸るばかり。

d0235336_0255887.jpg
Rー18指定の"映画史上最もヤバい映画"は、グロさに免疫のあるハートの強いモノ好きな方だけにおすすめできる逸作。
未だ観たことのない壮絶な生き地獄体験、全世界絶句の感慨を、ぜひあ・な・た・も。
トム・シックス氏はすでに『ムカデ人間3』の制作に入っているとか、いないとか。いったいこの先、さらにどんな不快領域があるというのか、未知の世界はまだ繋がっているらしい。

                    オフィシャル・トイレットペーパ→はいかが。


(製作・監督・脚本  トム・シックス /オランダ=イギリス合作 /91min)


                                           
[PR]
by haru733 | 2012-10-10 00:00 | オランダ映画 | Comments(0)

ムカデ人間 (2009年)

d0235336_2323315.jpg
  森の中の一軒家で独りで暮らす外科医のヨーゼフ・ハイター博士(ディーター・ラーザー)は、3つの人体の肛門と口をそれぞれつなぎ合わせて“ムカデ人間”をつくる実験に手を染めている変態マッドサイエンティスト。拉致されたあげく、彼の実験の餌食にされるアメリカ人旅行者と日本人男性の運命を、スリリングかつグロテスクに描く―。
観終えたあと、お休みの日の午後は、やや廃人のようにして過ぎていった。
d0235336_2324214.jpg

往年のホラー映画を正統に踏襲した気やすいオープニングから、気がつけば観たこともないエゲツない悪夢が疾走をはじめている。
“ムカデ人間”を創造した悪趣味もさることながら、繋がったことで起こるさらなる悲惨が3人を待っている。生きるために栄養を摂らなければならない先頭は食べる、そして、もよおす。その罪悪感といったら・・・。栄養状態の一番わるい尻尾に繋がれた者、真ん中ゆえの苦しみ、以下はご想像におまかせします・・・。
d0235336_2324954.jpg

“ムカデ人間”を満足げに見つめる冷酷なハイター博士の、妙に紳士然とした姿がかなりおそろしい。相当エゲツないのだが、何気に哲学チックになってくる良さもある。
人里離れた一軒家、ハイターから逃れようと必死に争う彼らには、やがて言葉や状況を超越した結束が生まれていく。行方不明者の捜索に乗り出した刑事の救いの手も加わり、物語は急展開をはじめるのだが。たとえ博士を追い詰めたところで、這いまわるしかない繋がった彼らは、運命共同体なのだ。先頭が死ねば生きてはいけない・・・・。
まさにその先頭役を演じているのが、日本人だというのだから奇妙だ。アメリカで演技を学んだという北村昭博が、関西弁まるだしでわめきまくっている姿は、その言葉を解する日本人に、より奇天烈かつ頼もしく映るはず。 
“ムカデ人間”は三部作
より評価の高い次回作もきっと観ようとおもう。


監督・脚本  トム・シックス
(90min/オランダ=イギリス)

[PR]
by haru733 | 2012-06-01 08:03 | オランダ映画 | Comments(2)


映画,読書,山,古物をめぐる―日々のきろく


by haru733

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

カテゴリ

全体
日常



旅行
おでかけ
雑貨
鑑賞
映画index
ポーランド映画
スペイン映画
フランス映画
イギリス映画
イタリア映画
ドイツ映画
トルコ映画
ブルガリア映画
アメリカ映画
日本映画
多国合作映画
韓国映画
中国映画
香港映画
ノルウェー映画
フィンランド映画
デンマーク映画
スウェーデン映画
ロシア・ソ連映画
オーストリア映画
カナダ映画
オランダ映画
ベルギー映画
キルギス映画
ギリシャ映画
スイス映画
アルバニア映画
セルビア映画
南アフリカ映画
インド映画
インドネシア映画
イラン映画
メキシコ映画
ウルグアイ映画
ニュージーランド映画
ポルトガル映画
アイルランド映画
ボスニア=ヘルツェゴビナ映画
ルーマニア映画
モノローグ
脱原発

記録

タグ

(172)
(109)
(82)
(69)
(68)
(59)
(56)
(54)
(46)
(28)
(28)
(26)
(23)
(23)
(22)
(22)
(16)
(16)
(14)
(13)

最新の記事

『記憶の絵』 森 茉莉
at 2015-03-16 22:05
悪魔憑き考 『汚れなき祈り』..
at 2015-03-07 13:16
U Want Me 2 Ki..
at 2015-03-07 09:55
わたしはロランス (2012..
at 2015-03-06 12:41
アメリカン・スナイパー (2..
at 2015-03-06 09:53
市民ケーン (1941年) ..
at 2015-02-23 09:49
ゆうばり国際ファンタスティッ..
at 2015-02-22 21:41
『麦ふみクーツェ』 いしいしんじ
at 2015-02-22 16:00
藻岩山 *冬
at 2015-02-19 18:00
ありがとう
at 2015-02-15 22:08

最新のコメント

はじめまして 映画に詳..
by ミキ at 18:11
このごろの暖かさ、いつか..
by haru733 at 21:04
昨日は穏やかな良い天気で..
by kanae at 17:04
あのシチュエーションで飛..
by haru733 at 21:24
おかえりなさいませ。 ..
by kanae at 19:51
あけましておめでとうござ..
by haru733 at 22:07
あけましておめでとうござ..
by kanae at 08:01
Merry X'mas☆..
by haru733 at 22:22
merry christ..
by kanae at 23:46
こんばんは。手放しにおも..
by haru733 at 21:35

ブログパーツ

以前の記事

2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
more...

フォロー中のブログ

はなももの別館
ジャックの談話室
salvage anti...
古本とビール アダノンキ
手製本と食の工房 O塾
Собака и Кошка
やぁやぁ。
OSOに恋をして

ライフログ


麦ふみクーツェ


掏摸(スリ) (河出文庫)


話を聞かない男、地図が読めない女


図書館の神様


爪と目