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競馬場

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 週末、リニューアルオープンした札幌競馬場へ出かけてきました。
生憎の雨降りにもかかわらず、隅々までキレイに生まれ変わった場内は、意外にも若者や家族連れで大賑わい。
子どもの頃、親に連れられて行った、地元のばんえい競馬に比べると、目からウロコの情景です。
いまどきの馬券買いは、すべてマークシートの精算機スタイル。時代は変わったのですねえ。
青々した芝の上。生ビール片手に、なにも分からぬまま賭けること3レース。期待したビギナーズラック....ならず。単勝さえ当たらない競馬は難しいけれどおもしろかった。
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目の前を駆けていく馬たちの迫力に見とれて、足元が濡れるのも気にならないで、帰りには冷たくなって帰りました。
次は晴れの日に長居してみたいものです。

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by haru733 | 2014-07-29 18:54 | おでかけ | Comments(0)

戦場のメリークリスマス (1983年) 極限状態の捕虜収容所、男だけの濃密な世界

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 こんなにも”異色”という言葉の似合う邦画の戦争映画を、ほかに知らない。
ジャワ奥地の捕虜収容所を舞台に、敵味方双方の葛藤を描いた群像劇は、銃撃戦も殺戮場面もない、まさに異色の傑作。

妖しげなメイクをほどこした若き坂本龍一が、異様な存在感で所長を演じる。収容所へやってきたセリアズ少佐(デヴィッド・ボウイ)を認めた瞬間、露骨に露わにされる西洋へのコンプレックスと男色の匂い。
一方、絵に描いたような日本兵の鬼軍曹ハラ(北野武)と、彼のご機嫌を取る通訳のロレンス(トム・コンティ)には、いつしか人種も立場も超えた理解と憐憫の情が育まれていく―。

中立の目線から極限状態における”日本と人間”を描いた大島渚監督の鬼才ぶりをおもう。
特有の軍人精神はいまでこそキチガイじみていて、幾度か描かれる切腹の美学など、西洋人でなくても、恐ろしいし滑稽でしかありえなかった。この国を外から描いた本編がすごいのは、戦争がなせる狂気の技とは一口では言い切れない、行き過ぎた民族性のようなものをシニカルにあぶり出したところにもあるとおもう。
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ほぼ全編にわたって熱帯の情景に限られた閉塞感。収容所内の濃密な人間模様のなかで、ゆいいつ緊張から解放させてくれるのは、デヴィッド・ボウイ演じる少佐が夢現のなかで回想する幻想シーン。歳の離れた弟との故郷での思い出は、切なくも苦く、淡い逆光のなか弟が歌うボーイソプラノはあまりにも美しくこころを奪う。

北野武も坂本龍一もみんなちんちくりんで、支配する側にありながら、西洋コンプレックスなるものを感じずにはいれない。日本軍正方の具現であった所長は、早々に敵兵の異端児に心奪われ、正気ではいられなかった...そして日本は負けた。
けれども、戦後、戦犯となり、翌日に処刑を控えたハラ軍曹が、懐かしいロレンスの面会を受けるラストには、もう同調しかなくて、たったひと握りのわだかまりさえもないのだ。
軍曹の笑顔は、清々しくて穏やかで、映画史に燦然と輝く名シーンとなっている。

「メリークリスマス ミスター ロレンス」

世界のたけしは、監督だけじゃなく、ひとりの役者としてもすばらしかった。

見終えたあとずいぶん経ったいまも、坂本龍一による珠玉のテーマ曲がまだ頭から離れない。映画界でも活躍してこられた坂本氏の、病気からの回復をこころより祈ります。

(123min/日本=イギリス合作)
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by haru733 | 2014-07-24 13:10 | 日本映画 | Comments(0)

連休明け

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 ひさしぶりに泊まりの来客を迎えていた3連休。お買い物がしたい客人を駅前へ送ったその足で、日曜日は、家人とふたりなんとなく定山渓へ。ほんとうは動物園へ行くはずが渋滞で断念したのです。

立派な正面玄関からは窺えないホテルの裏側―裏路地好きの散策は、いつだってそんな風。とても営業しているとはおもえない廃墟同然の古い建造物の寂れた裏手を歩いていると、定山渓の絵になるような魅力をかんじます。

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お客さんが帰路についた月曜は手稲山に登りました。平和の滝コースより。
家人のハイペースについていきながら、とくに写真を撮るでもなく、2時間35分で山頂へ。なぜだか、いままでで一番ラクにかんじた謎の登山。
悔しいかな、息の上がらない余裕の登りをみせていた家人も、ジョギングで痛めた膝をやられた下山時には、手負いの熊のようにガレ場を降りていくのでした。それを後ろから眺めてちょっとほくそ笑んだり。
最後の直線をもくもくと歩いて、2時間15分で降りてきました。

三連休のせいでしょうか。週末の割に人出はすくなく感じましたが、小さな子どもを連れた登山者がチラホラ。『春を背負って』ならぬ『赤ん坊を背負って』とはすごいことです。自分の身だけでも苦労する急登の山なのに。
とちゅう出会った6歳の男の子や、大泣きしていた子たちは、どこまで登れたのだろう。



きょうは連休明けのうれしい半ドン。映画を見て帰るつもりが、疲れてもいて、大通り○SUTAYAに寄り道しただけで帰ってきました。これから暫く、ひとり大島渚祭りを開催する予定。『戦場のメリークリスマス』がすばらしかったのです。
単身赴任先からの大荷物と、来客あとでごった返した部屋を片付けて、ようやくすっきりした夜です。
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by haru733 | 2014-07-22 23:57 | おでかけ | Comments(2)

手稲山 平和の滝コース *夏

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 ことし2度目の手稲山は、友人といっしょに、ポピュラーな平和の滝コースから。夕方の用事に間に合うよう、サクサクっと登ることが目標でした。
初手稲の友人には、険しく厳しいーと繰り返すのでしたが、わたしのほうが体力ないくらいで、しっかり3時間で山頂に着きました。
難所のガレ場は、何度登っても長くて苦しくて、楽におもえるようにはなっていないのでした。
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晴れた夏日に霞はつきもので、頂きはずっと雲のなか。頑張った一番のご褒美は最高の眺めだというのに、一緒に見られなかったのだけが残念です。いつかリベンジしなければ。

平日のせいか、おどろくほど登山者はまばら。霧が晴れるのを待ちながらお昼を食べ、諦めて下山するまで、ずっとだあれもいない静かな山頂。

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お花はあちらこちらに。黄色のはたぶん麒麟草/キリンソウ。不思議な花びらの青い方は、本を隈無く探しても見つからなかった。

良いペースで下ってきたあとの川沿いのなだらかな道は魔の直線で、行きとは比べ物にならないほど長く感じます。さんざん歩いて、さらに1キロを示す標識が出る辺りが、いつだって落胆ポイント。足の疲労もピーク。
あまりの単調さに、生欠伸してる友人に笑いながら、2時間15分でようやく登山口に辿りつきました。

成り行きで、この連休にもも一度登る予定。手稲づいしてしまう、今日このごろです。
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by haru733 | 2014-07-18 23:50 | | Comments(2)

闇のあとの光 (2012年) 魔術的リアリズムに溺れる、鮮烈の映像美

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 メキシコ発、奇妙なアートフィルム。よくわからないけれど、こういうの好き。
メキシコの田舎町に暮らす四人家族の物語は、冒頭から不気味な赤いCGの動物が現れて、不穏な展開を呈していった。

プロローグの長回ですでに惹きつけるなにかがあるのです。刻一刻と表情を変えていく夕暮れのなか、カメラは牧場を駆け回る一家の幼い娘の目線で景色を捉えていきます。とても愛くるしい少女なのに、胸がざわざわしてきて、遠くの空で轟く雷鳴が、静かな興奮状態を作り上げる。この空の色の美しさひとつとっても、アーティスティックで蠱惑的。

いつかの『ユフス三部作』を思い出す、自然の音に、瑞々しい描写の数々。ほぼ全編、ビジュアル・エフェクトの効いた不思議な気分になる映像が美しく、水を意識して生命力に溢れています。
なぜか意味もわからず挿入される、ラグビー・シーンや、乱交部屋や、日常を綻びさす赤い動物の謎。戸惑うけれど、アートフィルムというだけで、ヘンテコを楽しめてしまうのでした。

ちょっぴりウトウトしかけたころ、つと目を開けば、なぜか夫婦は乱交部屋にいる。かなりびっくりして、以降ふたたび眠くなることはなかった。ド肝を抜かれるクライマックスまで、美しくも悪夢的な世界観に身を委ねるのみ。

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余談ですが。映画館へ行く朝、ミニシアター2館のプログラムを見比べながら、一等見たいとおもったのは、この『闇のあとの光』でした。それは、かってに全幅の信頼をおく蠍座館主さんの解説に惹かれたのでもあります。
そして鑑賞後、ヘンテコなもの見たーと心ざわざわ帰路につく道すがら。最新のプログラムに目を通していたら、もう一度この作品について書かれた箇所を見つけたのです。

いまアートシネマは危機的状況にあります。人びとはわかりやすい映画しか見たがらなくなり、劇場も恐れをなして番組に入れようとしなくなっています。そのうち日本国内でアートシネマは輸入すらされなくなるでしょう。大げさでなくそれくらい商売として成りたちがたくなちました。 (一部省略)
『闇のあとの光』はへんな映画ではありますが、決してつまらなくはない。一度見たら忘れられない鮮烈なシーンをいくつも持っています。好きな映画だけをかける、お客の動員を第一に考える、とは少しばかり異なる動機で蠍座は映画を選んでいるとわかっていただければいいのですが。
 (Vol.217 蠍座通信より)

月曜日、14:50分の回に、観客はなかなか多く、アートシネマを好んで見たい、需要がまだあることの証明のようでうれしかった。きっとそう簡単には無くならないぞと。こういう作品を選びかけてくれる館主さんがいて、考えながら見る映画がすきな観客がいるかぎり。
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(115min/メキシコ=フランス=ドイツ=オランダ合作)
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by haru733 | 2014-07-17 01:36 | メキシコ映画 | Comments(0)

悪の法則 (2013年) けして踏み込んではいけない

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 原作作家自らが脚本を務め映像化したクライム・サスペンス。監督は名匠リドリー・スコット。人間たちまで怪物にみえてくるあたり、さすが『エイリアン』の生みの親。原作者がコーマック・マッカーシーでおなじが上に、異彩を放つハビエル・バルデムがいるとあっては、先入観なしにも『ノーカントリー』を彷彿してしまう一本。

(あらすじ) 自らの才能を過信するやり手弁護士“カウンセラー”(マイケル・ファスベンダー)が、やがて麻薬取引を巡る危険な罠に呑み込まれていくさまを豪華キャストの競演で描き出す。

闇のビジネスに手を染めるド派手な実業家にハビエル・バルデム。その恋人にキャメロン・ディアス。カウンセラーの美しい恋人にペネロペ・クルス。裏社会を渡り歩く仲買人にブラッド・ピット。贅沢な名優陣そろい踏み。
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恋人との結婚を決意したカウンセラーが、よりリッチな生活を欲したばかりに、麻薬取引に一枚噛み、いつしか闇の世界へとなだれ落ちていく。
いつ見ても煽情的なマイケル・ファスベンダー氏がたまらない。たいてい、カッコいい二枚目俳優の堕ち様というものは、人一倍ブザマになってしまうけど、演技派な彼が演るとブザマでもすかしてもいない、純粋に魅力的な男像が立ち現れるのがいい。

一際滑稽で恐ろしかった『ノーカントリー』での新手の武器が、今度は自動巻尺型首切りマシーンになって戻ってきた(!) 『悪魔の首飾り』的、闇のなかの首切りなんかも相当怖くておもしろい。

裏切られ、メキシコの麻薬カルテルに追われ、抹殺対象となっていく、彼らの最後の悪足掻きに手に汗握る。影で糸引く背信者は、荒野の似合う悪いヤツ、ラブコメ時代がウソのようにシュールなあの人だ。


(118min)

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by haru733 | 2014-07-16 23:23 | アメリカ映画 | Comments(2)

グランド・イリュージョン (2013年) 犯罪は復讐の香り

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 予告が魅力的だったミステリーは仕掛けがいっぱい。手放しでたのしめる小気味良さに、素直に騙されたい。

 鮮やかなトリックで銀行強盗を成功させるイリュージョニスト・チーム“フォー・ホースメン”の謎に満ちた真の目的と、強盗犯として彼らの逮捕に乗り出す捜査当局との攻防を描いたエンタテインメント・クライム・サスペンス―

FBIとインターポールの合同捜査チームには、マーク・ラファロと、メラニー・ロラン(写真/下)。ふたりの仄かな恋模様は見所の一つ。ジェシー・アイゼンバーグといい、モーガン・フリーマンといい、配役が好みなのもうれしい。
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いつか同じくイリュージョンをテーマにした作品に、『幻影師アイゼンハイム』というのがあったけれど、目くるめくイリュージョンをあからさまなCGで描いて興を削ぎ、私的にはかなりがっかりしたものでした。しかし本編は、見事にリアリティがあって、画が刺激的。
“フォー・ホースメン”の真の目的が明らかになるまで、結末は読めず、軽妙な語り口が心地いい。
微笑ましい小洒落たオチは、流石フランス人監督というべきか。

(フランス=アメリカ合作/116min)
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by haru733 | 2014-07-14 11:32 | 多国合作映画 | Comments(0)

キャプテン・フィリップス (2013年)  船長が果たした命懸けの責務

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 ハリウッド大作に食指が動かない昨今でも、ポール・グリーングラス監督は、新作ができるたび必ずチェックしてしまう敬愛する監督のひとり。寡作ゆえに、『ヴァージン・フライト』以降の作品はどれも観てきて、たいてい好きです。一番のお気に入り、『ジェイソン・ボーン』シリーズは、近年のハリウッド大作アクション映画のなかでも、群を抜いて面白いとおもう。

そんな緊迫感を紡ぎ出す名人、グリーングラス監督の最新作は海上が舞台。
2009年にソマリア沖で海賊の襲撃に遭い人質に取られた後、アメリカ海軍特殊部隊によって辛くも救出されたアメリカ船籍マースク・アラバマ号の船長リチャード・フィリップス氏の回顧録『キャプテンの責務』を、緊張感あふれるリアルな筆致で描き出したサスペンス― (allcinemaより)

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現代の海賊も怖いとは知っていたが、漆黒の肌にギラついた目で、“カート”と呼ばれる葉を噛み続けるソマリア人海賊たちは予測以上に恐ろしかった。横暴な彼らがあとに引けなくなったとき、狂気のエスカレートしていく様は身の毛もよだつものがある。
乗組員を機関室に匿い、たったひとり、小さな救命艇に乗せられ人質に取られたフィリップス船長は、何度も死を覚悟しながら、最後まで真摯な態度を崩さなかった。恐怖におののき、それでも責務を果たそうと懸命なフィリップス船長をみながら、先日起こった韓国の旅客船事故を思い出す。船長自ら、真っ先に逃げ出すなんて、いかにあれが救いがたい行動だったか。。


船長を演じるのは、貫禄の熱演トム・ハンクス。1990年代、不動の存在感をみせていた名優も、あまりの熱演つづきに2000年ごろには食傷気味になって、究極の一人映画『キャスト・アウェイ』に止めを刺される形で、以降しばらく『ターミナル』『ダ・ヴィンチ・コード』まで作品を観ないときがあったけれど、最近またあらためて壮年になったトム・ハンクスが素晴らしいとおもう。
とくに、救助されてからの長回しなど、恐怖と安堵の繰り返す極限状態を、鳥肌が立つほどリアルに演じていて脱帽もの。
そして本編にもうひとり主人公がいるとすれば、ソマリア人海賊のリーダー、ムセだろうか。演じるのは、ソマリア出身の米国に住むバーカッド・アブディで、俳優デビュー作なのだそうだ。痩けた頬に、骨と皮ばかりの痩身が印象的で、英語を話し、けして愚かではない彼の破れそうな緊張感と、やがて微妙に芽生えてくるフィリップスとの意志の疎通の様にハラハラした。
イスラームの原理主義者やソマリアの海賊たちもそう、話し合いが通じないことの恐怖をいつもおもう。激して収集のつかなくなった彼らの、なにをしでかすがわからない恐さは独特。交渉が難航しイラつきを隠せない野蛮な仲間との板挟みになっていくムセの苦しみは、だから彼に感情移入することで耐え難かった。

2時間超気を逸らせない流石の一本は、実話だというから驚く。救命艇とはいえ、監督得意の手ブレ撮影はないのでご安心ください。

(134min)
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by haru733 | 2014-07-13 14:17 | アメリカ映画 | Comments(0)

『家畜人ヤプー4』 沼正三

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 ヤプーたちに《蛮行反省》の潜在記憶を植え付けたのはトウキョウ裁判の法廷だったのさ。無条件降伏の後《一億総懺悔》なんて言ってたこともあるんだが、なにしろ都合の悪いことはなんでも《水に流しちゃう》癖があったから、奴らだけの戦後だったら、恐らく忘れちゃっただろう。
それに戦後米国の傘の下で軍備なしで経済復興するというずるい手を使って経済大国に成り上がったでしょ。第三次世界大戦の直前には、すっかり増長して生意気になってたって言いますね― 
 (本文より)

 
憲法解釈の変更とか、集団的自衛権行使容認とか、いやなニュースが飛び交うさなか読み終えた、『家畜人ヤプー』第4巻。
半世紀以上まえのSF小説に未来の日本を予見するような一文があって、ドキンとします。

この戦後最大の奇書を、どんな風に捉えて読んだらよいのかわからなかったけれど、ここにきて荒俣宏さんによる名解説は、初めて捉えどころを指南してくれるものでした。あとは最終巻を残すだけ。

『家畜人ヤプー』は哲学小説である。不浄なものを神聖なものに変化させるための社会改造法を真剣に模索したひとつの試案である。そしてその社会改造が、実現するかどうかの鍵は、まさに、ユートピアにふさわしくない不浄の処理方法にこそあったのだ。
かくてヤプーが誕生する。ヤプーはユートピアを支える。自らは排泄を行わず、他人の排泄物を飲食する奴隷。しかしこの奴隷は、何度も強調するが、フーリエの子供たちのように、みずからの役割に至上の快楽を感じている。(中略)
このように完璧な哲学小説を沼正三により提示されたわれわれは、自身がヤプーたりうるかどうかを自問しなければならなくなる。ユートピアの住人たりうるかどうかを。
 (解説より)
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by haru733 | 2014-07-10 22:26 | | Comments(0)

映画館 シネマ・トーラス

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 所用のついでに苫小牧市へ足を伸ばして、シネマ・トーラスへ行ってきました。
館の歴史は16年、北海道にわずか5館となってしまったミニシアターのうちのひとつです。
映画の魅力を極めたいと、過疎化の進む海辺の街で上映をつづける、単館映画ファンには貴重な存在。

スクリーンの数はひとつ、座席数はわずか40席。蠍座で55席だから、よりこじんまりして感じました。
昔ながらの雰囲気に懐かしい匂い。スクリーンへの出入り口にドアはなく厚地のカーテンなのが良い味わい。上映中、ときおりロビーから、受付の声が聞こえてきます。

日曜初回の上映は、ドキュメンタリー『世界の果ての通学路』でした。12人ほどの観客の中に、家族連れの姿もあって、なんだか微笑ましかった。子どもたちにも観て欲しい、良質なドキュメンタリーでした。

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ロビーはこじんまりと、イスも少なめ。壁には上映予定のタイトルがずらりと並んでいて、そのなかから観客が投票して選ぶシステムになっているようでした。さすがに本数は多くはないけれど、次回作以降のラインナップも魅力的でした。

広い北海道にミニシアターわずか5館。少なくなったものです。これ以上減ることはないと信じたいものです。
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by haru733 | 2014-07-07 09:43 | | Comments(0)


映画,読書,山,古物をめぐる―日々のきろく


by haru733

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