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映画いろいろ

 感想を残しておきたい映画が増殖するので、これはいかんと一気書きしてみる。

d0235336_22201033.jpg 『英国王のスピーチ』

 アカデミー作品賞を受賞したこちらは、旅先から帰る飛行機のなかにて鑑賞。機内映画の吹き替版はなんとも棒読みで白けてしまうれど、そんな残念な環境でもいい作品だった。個人的に好きな俳優コリン・ファースとヘレナ・ボナム=カーターが、ジョージ6世と王妃を演じているのもポイント高い。
(あらすじ) 吃音症に悩みながらも、妻エリザベスの愛と、スピーチ・セラピストのサポートで、歴史的演説を成し遂げたジョージ6世が、戦争という難局に立ち向かって
                                         いく姿を描く―。
時代背景が似ているせいもあって、『わが教え子、ヒトラー』という作品を思い出していた。自信喪失したヒトラーに、スピーチ指南を命令されたあるユダヤ人俳優の苦難と勇気の物語なのだけれど(もちろんフィクション)、滑稽なトレーニングの数々にユーモアを交えながら、歴史的瞬間を描きとった両作品は、どちらも名演に支えられている気がする。
帰宅後、字幕で再見することも忘れなかった。

(監督 トム・フーパー/製作国 イギリス=オーストラリア/2010年/118min)

d0235336_22202344.jpg 『SOMEWHERE』

 フランシス・フォード・コッポラ監督の娘ソフィア・コッポラによる、監督作第4作目。とくに意識しているわけではないのに、前作『マリー・アントワネット』以外は観ていて、とくになにが好きというわけではないのに、本作はとても気に入った。
(あらすじ) 離婚してすさんだセレブ生活を送る映画スターのジョニ―が、離れて暮らす思春期の娘クレオと過ごす、束の間の心のふれあいをハートフルに綴る。

映画の世界で生きる父親と、その娘。クレオは監督自身の投影なのか、金髪で存在感ある愛らしい少女だった。いつも感じる審美眼、キレイなものを好む嗜好。そのうえで、この監督しか描けないハリウッドの裏側や、アンニュイな日常や、冷笑的な視線が観ていて心地良いのだから、文句のつけようがない。ロングショットの長回し、効果音の排除した自然音の世界、贅沢さを形作るのは、そういうささやかで器用な断片。
自堕落セレブなジョニーは、11歳の娘が奏でる純粋で優しい時間に、しばし我を振り返り涙に咽ぶ。
子どもって驚くべき未知数なパワーで親を驚かせる。ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞している。

(監督 ソフィア・コッポラ/製作国 アメリカ/2010年/98min)

d0235336_22203683.jpg 『ヤコブへの手紙』

 (あらすじ) フィンランドの片田舎を舞台に、突然恩赦を与えられた終身刑の女性レイラ(カーリナ・ハザード)が、盲目の牧師ヤコブ(ヘイッキ・ノウシアイネン)との交流を通じて、少しずつ頑なな心を解きほぐし絶望から再生していく姿を、温かな眼差しで綴った感動のドラマ。

ヤコブ牧師のもとには毎日多くの相談の手紙が送られてくる。レイラの仕事は、手紙を読み上げて返事を代筆することだった。
そんなある日、必ず届いていた手紙が一通も来なくなり、ヤコブは人が違ったように急激に老いていく、、。彼が本当にやりたかったのは、面と向かって人に救いの手を差し伸べることだった。そしてレイラは、誰かに懺悔を聞いてもらって生き直す機会を求めていた――。身をもってレイラの魂を救ったヤコブは幸せだったに違いない。最後の望みを果たして逝ったヤコブの生き様がいい。
先日、往年の名作『汚れなき悪戯』を観たときも感動して思ったのだけれど、敬虔さへの憧れはずっと消えないし、このての作品をみればいつも強まる。信仰もないくせに新鮮に驚いては、心が洗われるのだった。

(監督 クラウス・ハロ/製作国 フィンランド/2009年/75min)

d0235336_22204487.jpg 『リトル・ランボーズ』

 予告からなんとなく、遊び心ある手作り感が好みのミシェル・ゴンドリー監督『僕らのミライへ逆回転』を連想していた。だから大きなうねりと遊びを期待して、こなくって少しだけがっかりした。
(あらすじ) 「ランボー」が大ヒットしていた1982年のイギリスを舞台に、厳格な家庭で子供らしさと無縁の息苦しい生活を送る少年が、札付きの悪ガキ少年と出会い、一緒に「ランボー」を真似た手作り映画の撮影に奮闘する中で友情を育み、心が解放されていく姿をノスタルジックに描く――。

いろんな映画へのオマージュに溢れていて、悪ガキ少年は「スタンド・バイ・ミー」のクリスで、ラストシーンは「ニュー・シネマ・パラダイス」ぽくて、映画を作るというシチュエーション自体、王道をいくストーリーだった。ここにしかないものはといえば、映像の遊び感覚の楽しさや、少年たちの幼いがゆえのピュアさ、フランス人留学生のキャラが立ってることだろうか。こじんまりとしていて、なにも残らなかったけれど、視覚的にはたのしめた。(世間の評価は高いです)
それにしても「ランボー」は、なぜに子ども心を奪うのだろう。わたしも実際すごく好きだった。いまではぜんぜん観なくなって久しいけれど、今度最新作に手をのばしてみようかな、いや止めておこう...。

(監督 ガース・ジェニングス/製作国 イギリス=フランス/2007年/94min)
by haru733 | 2012-02-04 16:07 | 多国合作映画 | Comments(0)


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