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中秋の名月

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月は望めそうにないけれど

学校のグラウンドでススキをいただく

今日の十五夜
by haru733 | 2012-09-30 00:00 | 日常 | Comments(2)

ワンダフルライフ (1999年)

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 内容はともかく、愛してやまない懐古的空間が、あまりにも居心地よくて骨抜きになる。
廃校の校舎のような寂びた施設、季節は晩秋。今週もやってきた死者たちを天国へと送り出すのは、5人の職員たち。一生にひとつだけ思い出を選び、職員の手により撮影された思い出の映像は、7日目に上映されることになっている。死者たちはその“思い出”だけ持って天国へとむかうのだ――。
死者たちの数日は、観念的でありながら日常生活のように何気なく穏やかに描かれていく。

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身の引き締まるような寒さの情景が琴線に触れる。それは冬が好きで、あの寒さを渇望しているいまだからなのかもしれないけれど、内容だけで良し悪しするのはむずかしいくらい心を捉われてしまった。そのうえ素敵なハコモノと古家具、日常の小物たち・・・・惹かれるもので溢れている。
設定のムリもなにもかもこれはファンタジー。そのなかでメメントモリの精神が胸をざわつかせてくれる。

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職員役の5人にはARATA、小田エリカ、寺島進、内藤剛志、谷啓さん。それぞれに独特なカラーで同色に空気を染める配役の妙。死者22人のなかには若き日の伊勢谷友介。現在の姿と重ねるとやんちゃ加減がおもしろい。
自分が自らの人生の映画監督になる――目の付け所がいかにも映画人といえる。俯瞰してはじめて自分の人生を知るなんて粋な視点だ。

是枝監督のふんわりして刺すところ、敬愛する岩井俊二監督の感性に近いのかもしれないとこの度おもった。それは、外見以上の内面の濃さ。日本の敬愛する監督さんがまたひとり増えた予感。


(監督  是枝裕和/118min)
by haru733 | 2012-09-29 00:00 | 日本映画 | Comments(2)

鬼婆 (1964年)

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 はじめて観る巨匠・名匠の作品はできるだけ昔のものから―そう暗黙のルールが働くようになったのはいつからだろう。年を経て丸くなった作品から入ると、わりと驚きがなくすぎてしまう。
たとえば黒澤明監督にはじめて触れるとして、『八月の狂詩曲』や『まあだだよ』から入るのと、『静かなる決闘』や『羅生門』から入るのとでは、違う。より深い印象を刻むのは、初期や中期の作品だとおもう。
5月に亡くなられた新藤監督も、そのひとり。未知の作品群が気になりながら、遺作『一枚のハガキ』は敬遠してしまって、追悼リバイバル上映で知った本作を、新藤監督初鑑賞作に選んでしまった。

それにしてもこの凄まじさ、大正解!乙羽信子と吉村実子の形相に度肝をぬかれる。奥さん(乙羽さん)をすこしも美しく撮ろうとしないおぞましい画面に圧倒されるのみ。

時は戦国時代。落武者を殺しては武器と鎧を売りさばいている娘とその義母の元に、村の男がひとり生きて戻る。やがて娘は男と恋仲になり、夜な夜な男の元へ通うようになるのだが、義母は欲情と若さへの嫉妬に狂っていく。
あるとき、芒ケ原に迷い込んだ落武者を殺した母は、その武者がつけていた般若の面を奪う。彼女は、男の元へ急ぐ嫁を待ち伏せ、面をつけて鬼となり嫁を脅かすのだが・・・・いつしか呪いの面は顔から取れなくなっていた・・・・。

モノクロの画面に、戦国時代の農民の壮絶な生き様が劇的。芒ケ原の草いきれと葉のさざめきが脳裏に焼きついて離れない。獣のように食い、獣のようにまぐわい、生きるために殺す。エゴと野性むき出しの3人に、自然淘汰はあたりまえのようにやってくる。
およそ美しいものは排斥された、嫌悪を催すこのての作品は、時代の流れでもう作ることができない往年の傑作として、ちゃんと「死ぬまでに観たい映画1001本」に選ばれていた。
名匠と呼ばれるワケがこの一本で頷けた新藤監督、次はなにを観よう。『原爆の子』 『薮の中の黒猫』 が気になっているとこ。


(監督  新藤兼人/100min)
by haru733 | 2012-09-22 23:15 | 日本映画 | Comments(0)

かぞくのくに (2011年)

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 最近の出来事というのがにわかに信じがたい、おどろくべき実話を元にしたフィクション。監督は在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ。とてもいい映画だった。

1970年代の帰国事業で、当時地上の楽園といわれていた北朝鮮へひとり渡った長男ソンホが、脳腫瘍の治療のために25年ぶりに日本へ帰国した。許された期間はわずか3ヶ月。監視付きながらも、再会を果たした家族は喜びに満ちる。
しかし、ソンホの病気は期間内の治療はむずかしく、なにもしてやれないまま北へ帰すしかないことを知って家族は苦しめられていく。北朝鮮に生きるソンホの思想や価値観のズレもまた互いを苦しめ、一家団欒に影を落とすのだった―。
二つの国に翻弄される家族の愛と苦悩と悲しみに、胸がつまる。

井浦新演じるソンホの言動の端々に表れてくる、底知れない北の闇。日本で暮らしていれば・・・あの時北へ渡らなければ・・・そんな後悔はし尽くしたはずの彼の言葉は重い。母(宮崎美子)への愛、父(津嘉山正種)への憤り、妹・リエ(安藤サクラ)への慈しみ。自分の分の未来まで託したリエとの対話シーンは、切なくてとても忘れられない。安藤サクラと井浦新の演技にきっと胸が震える。

国家としていかにありえないか、北朝鮮に対するイメージはますます悪化していく。この国に思考停止して生きて死んでいくしかない国民たちの人生にいったいなんの喜びがあるのだろう。
日本で平和に暮らして、なんでも好きな言動が許されて、フルな情報がありながらただなにもできずに手をこまねいている・・・そんな現状は、北に家族を持つ人たちや、身内を拉致された人たちにとってどんなにか苦しいだろう。感情移入したぶん、かるく殴られた気分だった。
本編は実話を元にしたフィクションだけれど、こうしたことが現実にあることだけは忘れないで暮らさなければいけないな。

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北の監視員役は『息もできない』で監督・製作・脚本・編集・主演の5役を務めたヤン・イクチュン。


(監督 ヤン・ヨンヒ/100min)
by haru733 | 2012-09-21 00:00 | 日本映画 | Comments(0)

譜めくりの女 (2006年)

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 女の執念というよりも、少女メラニーの執念と復讐を描いた本作は、ピアノ線一本ピンと張り詰めたような緊張感漂うサスペンス。
ピアニストへの夢を絶たれた少女が、その原因をつくった女性ピアニスト、アリアーヌ(カトリーヌ・フロ)への復讐を果たすべく、“譜めくり”となって彼女に近づいていく―。

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美しく成長したメラニー(デボラ・フランソワ)は大人しくて物静か。その復讐の手際は巧妙で、アリアーヌの不安定な情緒を利用したさまがじつに見事。夫の居ぬ間に息子を操り、家族全体を狂わせていく。いかにもフランスなのは、メラニー依存がすすむにつれ、それが同性愛へと進展していく飛躍かもしれない。高慢で無神経だった女が、夢奪われたと信じる少女によって破滅してくドラマは、ありがちといえるかもしれないけれど、静と動の均衡とれた恐怖は素朴な新鮮さだ。
過去にとった無遠慮な行為が、自らをいま奈落へと運んだことをアリアーヌは知らない。恨み言のひとつも漏らさず完璧な復讐を遂げて消えるメラニーに、残暑の一夜をひんやりさせてもらった気がする小粒なサスペンス。


(監督 ドゥニ・デルクール/85min)
by haru733 | 2012-09-20 00:00 | フランス映画 | Comments(0)

ベルヌーイの螺旋

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  素数と螺旋の関係に気がついた、ある数学者のお話を聞いて心惹かれました。
巻貝、羊の角、台風、銀河・・・・自然界に螺旋はいくつも存在していて、自然と数は繋がっていることを改めてしって。
数学者たちに見えている世界はきっと想像を超えた壮大さなのでしょうね。
孤高の学問なんて、わたしにはまったく無縁だけれど、ファンタジーに登場する螺旋のイメージになら触れることができる。どちらもロマンがあるモノです。
いつかみたアンモナイト展には、所狭しとベルヌーイの螺旋。無数に、ことも無げに並んでいました。



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いま、読んでいる本。

『クラウド・コレクター』
(手帳版)より

クラフト・エヴィング商會


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by haru733 | 2012-09-19 00:00 | 鑑賞 | Comments(0)

山と海

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 敬老の日、義父母を招待してニセコアンヌプリの麓へでかけてきました。リゾートホテルに泊まり、翌日は霧の立ち上る美しいパノラマラインに車を走らせました。
岩内から原発のある泊村へ、積丹半島から小樽へ。寄り道ばかりの道中です。

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山に囲まれ逃げ場のない岩内町の、海の対岸にちいさく見えるのが泊原子力発電所。
原発に隣接する“とまりん館”は原子力PRセンター、なかはゴージャスな青少年科学館のようになってます。皮肉を込めて二度目の来館。南国リゾート空間というだけあって、やけに長閑なのがよけいにうさんくさい。

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d0235336_23275747.jpg岩内はニセコ連峰が連なっていて、山と海、どちらもきれいな町です。道の駅などにも立ち寄って散策していたら、偶然ちいさな映画館をみつけました。

「シュー シネマ」

日焼けした古いポスターが貼ってあるので閉館してるのかとおもいきや、入口を覗いたらたしかに営業しているのでした。
映画館らしい懐かしい匂いにノスタルジー。こんなにレトロな劇場が頑張って興行をつづけているなんて、すごいことです。


岩内からふたつの村を過ぎた積丹半島の先端、神威岬にも足をのばしてみました。ここはわたしの我が儘。
一度、友人と訪れたときに見た絶景が忘れられない名所なのです。
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名ばかりの女人禁制の門を過ぎ、青い海を望みながら半島の先へ。かなり奥まですすんだ記憶でしたが、ざんねんなことに最先端は立ち入り禁止になっていました。崩れたとかで危険なんだそう。がっかり。それでもよい眺め。

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岬の高台にある石塊のオブジェは、第一次大戦中の電波探知塔跡。遊歩道から戻って積丹ブルーのソフトクリームをいただいてから岬をあとにしました。

このあとも数え切れないほど寄り道を重ねて、小樽観光をして、夕方ぶじ自宅に辿り着きました。
 
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岩に見えるのは念仏トンネル。ここの由来がまたすごいのです。
by haru733 | 2012-09-18 10:00 | 旅行 | Comments(0)

ウニ ドォ~ン

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by haru733 | 2012-09-18 00:00 | 旅行 | Comments(2)

ニューヨーク、アイラブユー (2008年)

  子どものころ、アメリカは憧れの国だった。いつか移り住みたいとうそぶいていたニューヨークへの憧れも夢も、いつしか色褪せ破れてしまったけれど、活気に満ち満ちたこの街の魅力はいまも昔もちっとも変わらない。アイラブ、ニューヨーク!と声をあげて叫びたくなるような素敵な作品だ。
パリ、ジュテーム」のプロデューサーによる、都市をテーマにしたオムニバスの第2弾で、日本からは、敬愛する岩井俊二監督が参加している。ほかにはチアン・ウェン、ミーラー・ナーイル、イヴァン・アタル、ブレット・ラトナー、アレン・ヒューズ、シェカール・カプール、ナタリー・ポートマン、ファティ・アキン、ジョシュア・マーストン。半分知ってて半分知らない。

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『チャイナタウン』  チアン・ウェンfilm

前作が18編だったのにたいして、こちらは10編。尺が伸びた分ドラマが一気に膨らんだ。短編同士を繋ぐシーンを挟んで(ランディ・バルスマイヤー監督による)、まるで一本の群像劇を観たような充足感。お気に入りに順番をつけるのが無意味とおもえるほど、どれもみんなおもしろかった。

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『アッパー・ウェスト・サイド』  岩井俊二film

岩井作品にはオーランド・ブルームとクリスティナ・リッチ出演というからすごいのだ。風邪をこじらしているブルームに『Love Letter』の“藤井樹”を重ねつつ、背景にはジャパニメーションの代表格ジブリの「ゲド戦記」が流れているなか、まるで音楽を聴くように軽快に、ふたりの恋の始まりが描かれていく。まさに岩井監督の十八番という感じでたのしかった。

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『アッパー・イースト・サイド』  シェーカル・カプールfilm

若いころ逗留したホテルを訪れた元オペラ歌手と、足の不自由なホテルマンの青年との短い交情を描いた『アッパー・イースト・サイド』。淡くもミステリアスで古疵が疼くような好編。シャイア・ラブーフ(右)の居住いがいい。 

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『ブライトン・ビーチ』  ジョシュア・マーストンfilm

老夫婦の愛とユーモアあふれる会話劇は最終話として収録。ジョシュア・マーストン作品は初めて。ほのぼのした本作からは想像できない前作『そして、ひと粒のひかり』を、過酷そうだけれどぜひ見ておきたくなった。

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『チャイナタウン』  ファティ・アキンfilm

ムダがなくてカッコイイ、「ソウル・キッチン」のファティ・アキン監督作品、。孤独な画家が惚れ込んだのは、お茶屋の中国人店員の娘。絵のモデルになって欲しいと唐突なお願いをするのだが、すでに病に蝕まれていた画家は、彼女がアトリエを訪れた時には絶命している。あとに遺されたのは、彼女自身も気づいていなかった凛とした美の捉えられたスケッチだった―。仄かな希望が灯るラストがドラマチック。

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『セントラル・パーク』  ナタリー・ポートマンfilm

ここ数年でメキメキ素敵になったような気がするナタリー・ポートマンの監督デビュー作。賢くて美人で才女の彼女は、ミーラー・ナーイル監督の「ダイヤモンド街」でユダヤ人女性役も演じている。
公園をいかにも楽しげに散歩する無邪気な少女と黒人男性。夕刻、お金持ちの両親が少女を迎えにやってくる―。男は少女のシッター役で、本職はバレエダンサーだ。ニューヨークの象徴ともいえる共働きの裕福な家庭の娘は、好奇心旺盛なかわいい子。しかし彼女の感受性を育んでいるのは、紛れもなく黒人ダンサーの彼なのだった。
バレエをテーマに持ってくるところがポートマンらしいといえる。シッターを演じたのはダンサーのカルロス・アコスタ氏。



オムニバス映画はたくさんあれど、ここまで短編同士が相乗効果で一体となった作品はそう多くないとおもう。たとえば大好きなジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」や「コーヒー&シガレッツ」にあった満足感に似てる。なかなか得難いハッピーな後味。
by haru733 | 2012-09-14 00:00 | アメリカ映画 | Comments(0)

日本映画いろいろ

すごく良かったのと、勿体なかったふたつの邦画について。
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 『オリヲン座からの招待状』 (2007年) 

 
 この魅力的なスチール!映画館を舞台にしたノスタルジックな物語に、宮沢りえと加瀬亮の味のある佇まい──これだけ良い素材が揃って膨らまない感動で終わってしまったもったいない本作。

昭和30年代、館主が病に倒れた小さな映画館“オリヲン座”では、未亡人のトヨ(宮沢りえ)が夫の遺志を継いで劇場を守っていた。そんな彼女を唯一傍で支えてくれたのは、映写技師見習いだった青年・留吉(加瀬亮)だ。2人は、周囲から心ない噂をたてられながらも、テレビの台頭で苦しくなっていく映画館を守るため懸命に働き続ける。
あれから何十年、そんなオリヲン座にもついに閉館の日がやってきた。最終興行の日、客席にはかつてこの劇場を心の依り所としていた幼馴染のふたり、祐次(田口トモロヲ)と良枝(樋口可南子)夫婦の姿もあった──。
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戦後のノスタルジックを背景に、優しく静かに流れる時のなかで、ふた組の男女が育んだ愛の行方はたしかに切なくてかけがえのないもの。劇場の衰退とともに、トヨと留吉の人生にも終焉時が迫る。シチェーションは王道をいくドラマチック。
けれど、ここには大事なものが欠けているとおもう。それはパッション。たとえば、映画ファンに愛される名作『ニュー・シネマ・パラダイス』の主人公サルヴァトーレは、愛したエレナが振り向いてくれるまで、雨の日も風の日もずっと待ち続ける情熱を持っていた。しかし本作は、互いに惹かれあいながらも感情をさらけ出す場面がない。そでれは淡白すぎて寂しい。せめて蛍を蚊帳に放ったあの夜、抑圧してきた想いを溢れさせるシーンのひとつくらいあったらよかったのに。そしたらすこしなにかが違っていたかもしれないのに。
内容はともかく、主演の二人の好演は一見する価があるほど見逃せないものでした。




 『空気人形』 (2009年)
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 これはもう、ほんとうによかった。すごくいい。

ひょんなことから心を持ってしまった“空気人形”が様々な出会いを通して味わう感情の移ろいと、対照的に浮き彫りとなる現代人の孤独と空虚感を、ユーモアと赤裸々なエロティシズムを織り交ぜつつ、切なくも繊細に描き出してゆく。 (allcinema)

心があるから切なくて、心があるからぬくもれる。空気人形が身をもって教えてくれる人間存在の儚い尊さや愛おしさに胸がぎゅっっとなった。人形の持ち主・秀雄(板尾創路)も、彼女が心を持ってはじめて恋をしたレンタルショップの店員・純一(ARATA)も、みんなみんなが孤独を抱えて生きている。
彼女が人形であると知って、それでも一緒にいるようになる、純一の心の闇は一等深い。彼が、「身体の空気を抜かせてほしい・・・・」と虚ろな眼で頼む場面など打ちのめされてしまう。俳優ARATAの醸し出す空気感がたまらない。
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現実世界は、きっとこんなふうに曖昧模糊としていて、いろんな感情があふれていて、だから苦しくなる。うまく
説明できないけれど、現代人の孤独の深淵を穿つなかなか巡りあえない佳作だとおもう。d0235336_21121369.jpg

淋しく思うのは、佳作のヒロイン役が日本人でないことか。ヌードになることを厭わず“空気人形”のサガを完膚なきまでに演じたのは、韓国の女優さんで『グエムル -漢江の怪物-』に出演していたペ・ドゥナだった。
彼女がまたモーレツにかわいいのだが。
男たちの性処理人形であるじぶんをしずかに諦観しながら、作り物の可愛さを大胆に演じる女優さん・・・・たしかに日本には見当たらないのが悲しい現実。


上記の『オリヲン座からの招待状』がストレイトに映画ファンを呼ぶのに対して、こちらも密かに映画ファンの心をくすぐる場面がいっぱい投入されている。
純一が働いているのはレンタルショップ、名作からの引用もある。
ちなみに、川端康成の『眠れる美女』をおすすめしてもらい、いま読んでいるのだけれど、ふとこの『空気人形』を思い出すときがある。小さな部分的なニュアンスがほんのちょっと似ているのかもしれない。
by haru733 | 2012-09-11 00:00 | 日本映画 | Comments(2)


映画,読書,山,古物をめぐる―日々のきろく


by haru733

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